サーファーはなぜロン毛が多い?理由とメリット・デメリットを徹底解説

サーファーはなぜロン毛が多い?理由とメリット・デメリットを徹底解説
サーファーはなぜロン毛が多い?理由とメリット・デメリットを徹底解説
車・ファッション・ライフ

「サーファー」と聞いて、多くの人が思い浮かべる姿。それは、日焼けした肌にTシャツ、そして潮風になびく長い髪ではないでしょうか。

サーフィン雑誌や映像の中に登場するプロサーファーたちも、無造作なロングヘアで波に乗る姿が印象的です。単なるファッションやスタイルのようにも見えますが、実はサーファーが髪を伸ばす背景には、海という過酷な自然環境と向き合うための「実用的な理由」も隠されていることをご存知でしょうか。

もちろん、憧れだけで髪を伸ばすと、想像以上のケアの大変さや日常生活での不便さに直面することもあります。これから髪を伸ばそうと考えているサーファーの方、あるいはサーファーの独特なスタイルに興味がある方へ。

この記事では、サーファーにロン毛が多い本当の理由から、実際に伸ばすことで得られるメリット、そして覚悟しておくべきデメリットとケア方法まで、詳しく深掘りしてお伝えします。

サーファーにロン毛が多い理由とは?ただのファッションじゃない!

海に行くと必ずと言っていいほど見かけるロングヘアのサーファーたち。彼らが髪を伸ばすのは、単に「かっこいいから」という理由だけではありません。そこには、サーフィンというスポーツ特有の事情と、歴史的なカルチャーが深く関係しています。

強烈な日焼けや紫外線から首元を守るため

サーフィンは、遮るものが何もない海の上で、長時間直射日光を浴び続けるスポーツです。顔や腕には日焼け止めを塗って対策をしますが、意外と盲点となりやすいのが「首の後ろ」や「耳」です。

ショートヘアの場合、パドリング中(ボードに腹ばいになって漕ぐ動作)に首の後ろが完全に無防備な状態になります。強烈な紫外線にさらされ続けると、重度の火傷のような日焼けをしてしまい、翌日の生活に支障が出るほどの痛みを伴うこともあります。

長い髪は、この無防備な首元を覆う天然のサンシェード(日除け)の役割を果たしてくれます。髪が肌を覆うことで、直射日光によるダメージを物理的に軽減してくれるのです。

海上がりの寒さ対策と保温効果

夏場は快適な海も、季節が変われば体温を奪う過酷な環境へと変化します。特に冬のサーフィンにおいて、寒さは最大の敵です。

ウェットスーツを着ていても、頭部は外気にさらされたままです。人間は頭部から多くの熱を放出すると言われており、頭や首が冷えると全身の体温低下につながります。ここでロングヘアが役立ちます。

海から上がった後や、波待ちをしている間、長い髪が首筋を覆っていると、ネックウォーマーのような保温効果を発揮します。太い血管が通っている首周りを冷やさないことは、体温維持において非常に重要であり、長くサーフィンを楽しむための知恵の一つとも言えます。

サーフカルチャーと自由の象徴

機能面だけでなく、文化的な背景も無視できません。1960年代から70年代にかけて、アメリカ西海岸やハワイで爆発的に広まったサーフカルチャーは、当時のヒッピー文化や対抗文化(カウンターカルチャー)と深く結びついていました。

既存の社会常識やルールに縛られず、自然と一体になって自由に生きる。そうした精神性の象徴として、長髪が好まれた歴史があります。「ドッグタウン」などの映画で描かれる当時のカリスマサーファーたちのスタイルは、今もなお多くのサーファーにとっての美学であり、憧れの対象です。

現代においても、「会社や学校の規則には縛られない生き方を選んだ」という、ある種のステートメントとしてロン毛を選ぶサーファーは少なくありません。

海水による自然な脱色と無造作感

サーファーの髪型の特徴といえば、美容室で計算して作ったスタイルとは違う、独特の「海感」です。海水に含まれる塩分と紫外線の影響で、髪の色素は徐々に抜け、毛先に向かって自然なグラデーションが生まれます。

また、潮風に吹かれて乾いた髪は、塩分のコーティングによって独特のボリュームと束感が出ます。これを人工的に再現しようとする整髪料(シーソルトスプレーなど)が存在するほど、この質感は魅力的だとされています。

手を加えすぎない、自然体でワイルドな雰囲気は、ロン毛であることでより一層際立ちます。この「作り込まないかっこよさ」こそが、サーファーロン毛の真骨頂と言えるでしょう。

実際どうなの?サーファーがロン毛にするメリット

理由がわかったところで、実際に自分がロングヘアにした場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。見た目の印象だけでなく、サーフィンライフにおける実用的な利点についても触れていきます。

独特の雰囲気と「サーファーらしさ」が一気に出る

最大のメリットは、やはりそのビジュアルでしょう。ボードを抱えて歩いているだけで絵になるのは、ロングヘアならではの特権です。

短髪のサーファーも爽やかで素敵ですが、ロングヘアには「熟練者」「ライフスタイルそのものがサーフィン」といった玄人っぽい雰囲気が漂います。陸(おか)にいる時でも、髪型ひとつで「あの人はサーファーだ」と認識されることが多くなり、同じ趣味を持つ仲間との会話のきっかけになることもあります。

ファッションとしても、サーフブランドのTシャツやショーツとの相性が抜群に良く、ラフな格好でもスタイルが決まりやすいという利点があります。

冬の海での体感温度が変わる

先ほどの理由の部分でも触れましたが、実際に冬の海に入るとその恩恵を強く感じることができます。

冬用のフルスーツ(長袖長ズボンのウェットスーツ)を着ていても、首元から冷たい海水が侵入してくる「ワイプアウト」の瞬間は強烈な寒さを感じます。しかし、長い髪が首回りにまとわりついていると、肌に直接冷水が触れる面積が減り、水の侵入時のショックを和らげてくれます。

また、海から上がって着替える際、吹きっさらしの風の中で濡れた体は急速に冷えていきますが、髪が首や耳を覆っているだけで、体感温度は数度違うと感じるサーファーも多いです。ただし、濡れた髪そのものが冷えると逆効果になることもあるため、あくまで「風除け」としての効果です。

オンとオフの切り替えがしやすい

ロングヘアは、結ぶことで表情をガラリと変えることができます。これが意外と大きなメリットです。

海の中では邪魔にならないようにしっかりと結び、海上がりには解いてリラックスしたスタイルを楽しむ。あるいは、仕事中はきっちりと結んで清潔感を出し、週末はワイルドなダウンスタイルで過ごす。

このように、一つの髪型で複数の印象を使い分けることができるのは、ロングヘアならではの楽しみ方です。特に、男性の場合は髪を結ぶという行為自体が日常のスイッチを切り替える儀式のような役割を果たすこともあります。

ここは覚悟が必要!ロン毛サーファーの悩みとデメリット

憧れのスタイルを手に入れるためには、それ相応の苦労も伴います。特に海という環境は髪にとって非常に過酷です。ここでは、実際にロングヘアにしてから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、リアルな悩みとデメリットを詳しく解説します。

パドルやライディング中の視界不良

サーフィン中に最もストレスを感じるのが、髪が視界を遮ることです。特に「ドルフィンスルー(波の下を潜って沖に出る技術)」をした直後は深刻です。

海面から顔を出した瞬間、濡れて重くなった長い前髪が顔全体に張り付き、視界が完全に奪われます。次の波が迫っている状況で前が見えないのは、単に不快なだけでなく、危険を伴います。そのため、多くのロン毛サーファーは、海面に出た瞬間に首を振って髪を払う動作(ヘッドフリック)を無意識に行うようになります。

また、いざ波に乗ろうとするテイクオフの瞬間にも、風で髪が舞って目に入り、重要なタイミングを逃してしまうこともあります。実用性を考えると、海の中では髪を結ぶのが賢明ですが、ゴムを無くしたり解けたりするトラブルもつきものです。

海水と紫外線による深刻なダメージ

髪にとって、海水と紫外線は最悪の組み合わせと言っても過言ではありません。サーファーの髪は、一般的なダメージとは比べものにならないほど傷みやすい状態にあります。

海水の塩分が付着したまま紫外線を受けると、髪の内部にあるタンパク質が破壊されやすくなります。さらに、髪の表面を覆うキューティクルが剥がれ落ち、内部の栄養分や水分が流出してしまいます。その結果、髪はパサパサになり、指が通らないほど絡まりやすくなります。

知っておきたい髪の科学
海水に含まれる「塩化マグネシウム」には、髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)を固める性質があります。これが、海上がりに髪がゴワゴワ・ギシギシとした手触りになる主な原因です。この状態で無理にクシを通すと、髪が簡単に切れてしまいます。

このダメージが蓄積すると、せっかく伸ばした髪も毛先がボロボロになり、清潔感のない「ただ傷んだだけの髪」になってしまうリスクがあります。

シャワー後のドライヤーがとにかく大変

サーフィン後の疲れた体にとって、長い髪を乾かす作業は重労働です。ショートヘアならタオルドライだけで済むこともありますが、ロングヘアはそうはいきません。

特に冬場や、設備の整っていないポイントでサーフィンをする場合、ドライヤーが使えないことも多々あります。濡れたままの髪で長時間過ごすと、頭皮が冷えて風邪を引く原因になるだけでなく、雑菌が繁殖して頭皮の臭いやかゆみの原因にもなります。

自宅に戻ってからも、完全に乾かすには10分以上の時間を要することもあり、日々のケアに多くの時間を割かれることになります。

濡れた髪が重く首への負担になる

乾いている時は気になりませんが、水を吸ったロングヘアはずっしりとした重量感を持ちます。

サーフィン中は常にパドリングで背中を反り、首を持ち上げている状態が続きます。そこに濡れた髪の重さが加わることで、首や肩への負担が倍増します。慢性的な肩こりや首の痛みに悩まされているサーファーの中には、髪を切っただけで症状が改善したというケースもあるほどです。

また、ワイプアウトして波に巻かれた際、水の抵抗を受けた髪が頭を引っ張るような感覚になり、首を痛める原因になることも稀にあります。

一般社会でのビジネスシーンとの兼ね合い

これは日本特有の事情かもしれませんが、社会人サーファーにとって最も大きな壁となるのが「社会的な目」です。

クリエイティブな職種や自由な社風の会社であれば問題ありませんが、一般的な企業や営業職などでは、男性のロングヘアがまだ受け入れられにくい現実があります。「清潔感がない」「不真面目に見える」といった偏見を持たれることもあり、サーフィンという趣味と仕事の両立において葛藤を抱えることになります。

仕事中はきっちりと結んで隠す、清潔感を保つためにメンテナンスを欠かさないなど、周囲への配慮と涙ぐましい努力が必要になる場面も少なくありません。

バサバサ髪を回避!サーファーのためのヘアケア術

デメリットを知った上で、それでもロン毛スタイルを楽しみたいなら、徹底的なヘアケアが必須です。「サーファーだから髪が傷んでいても仕方ない」と諦めるのではなく、正しいケアを行うことで、健康的で魅力的なロングヘアを維持することができます。

海に入る前の事前ケアが重要

ケアは海から上がった後だけではありません。海に入る前の「プレケア」が、ダメージを最小限に抑える鍵となります。

乾いた髪のまま海に入ると、髪はスポンジのように海水を吸収してしまいます。これを防ぐために、海に入る直前に「真水で髪を濡らしておく」ことが非常に有効です。あらかじめ髪内部を真水で満たしておくことで、海水の浸透をある程度防ぐことができます。

さらに効果的なのが、髪用の日焼け止めオイルや、洗い流さないトリートメントを塗布してから入水することです。油分で髪をコーティングすることで、塩分や紫外線から直接的なダメージを受けるのを防ぐバリアとなります。

海上がり直後の真水での洗浄

海から上がったら、何よりも先に髪についた海水を洗い流すことが鉄則です。塩分がついたまま髪が乾いてしまうと、塩の結晶が髪の表面を傷つけ、内部の水分を奪い続けます。

たとえ温水シャワーがない場所でも、ペットボトルやポリタンクに真水を用意しておき、頭皮から毛先までしっかりと塩分を洗い流しましょう。この時、ゴシゴシと強く擦るのはNGです。濡れてキューティクルが開いた状態の髪は非常にデリケートなので、優しく揉み洗いをする程度に留めます。

海上がりのケア手順

1. たっぷりの真水で塩分と砂を洗い流す。
2. タオルで優しく水分を拭き取る(擦らない)。
3. 洗い流さないトリートメントをたっぷりつける。
4. 目の粗いクシで優しくとかす(無理に引っ張らない)。

ダメージ補修に特化したトリートメント

自宅でのシャンプーでは、ダメージケアに特化した製品を選ぶことが重要です。一般的なシャンプーの洗浄力はサーファーの傷んだ髪には強すぎる場合があるため、アミノ酸系などの優しい洗浄成分のものがおすすめです。

そして、最も投資すべきは「トリートメント」です。髪の内部にタンパク質を補給するケラチン配合のものや、保湿力の高いヘマチン配合のものなど、補修効果の高いアイテムを選びましょう。週に数回は、ヘアマスクを使って時間を置いて浸透させるスペシャルケアを取り入れると、手触りが劇的に改善します。

紫外線対策グッズの活用

物理的に紫外線を遮断することも忘れてはいけません。最近では、サーフィン中に着用できる「サーフハット」や「サーフキャップ」のデザインも豊富になっています。

帽子をかぶることで、頭皮の日焼けを防ぎ、髪への紫外線ダメージを大幅にカットできます。また、視界を確保しやすくなるというメリットもあります。「帽子はダサい」というイメージは過去のものであり、今は賢くケアしながらサーフィンを楽しむスタイルが定着しつつあります。

サーファーにおすすめのロン毛スタイルとアレンジ

一口にロン毛と言っても、そのスタイルは様々です。サーファーの雰囲気に合い、かつ扱いやすいおすすめのスタイルをいくつか紹介します。

ワイルドなマンバンスタイル

「マンバン(Man Bun)」とは、髪を頭の高い位置でまとめてお団子にするスタイルのことです。海外のプロサーファーやモデルにも多く見られる、今のトレンドとも言える髪型です。

サイドや襟足を刈り上げてツーブロックにし、トップの長い髪だけを結ぶスタイルなら、清潔感を保ちつつロングヘアを楽しめます。海の中では邪魔にならず、街ではスタイリッシュに見える、まさにサーファーにとっての最適解とも言えるスタイルです。

動きを出したスパイラルパーマ

直毛の人がただ髪を伸ばすと、海上がりにお化けのようにペタッとしてしまいがちです。そこでおすすめなのが、強めのスパイラルパーマやツイストパーマです。

パーマをかけることで、濡れていても動きやボリュームが出やすくなり、無造作に乾かすだけで「こなれ感」が出ます。また、もともとウェーブがかかっているため、多少の髪の傷みやクセもデザインの一部として馴染んで見えやすいという利点もあります。

自然なウェーブを生かしたダウンスタイル

あえて手を加えず、肩下まで伸ばした髪を自然に下ろす王道のスタイルです。髪質に少しクセがある人に向いています。

このスタイルのポイントは、毛先を切り揃えすぎないことです。美容師さんに相談して、レイヤー(段)を入れ、毛量を調整してもらうことで、風になびく軽やかな動きが出ます。前髪を長く残してかき上げる仕草は、サーファーならではの色気を演出してくれます。

まとめ:サーファーとロン毛は切っても切れない関係

まとめ
まとめ

サーファーが髪を伸ばす理由には、紫外線や寒さから身を守るという機能的な側面と、自由を愛するサーフカルチャーへのリスペクトという精神的な側面の双方が存在します。

実際にロングヘアにすることで、視界の問題やケアの手間、社会的な視線など、乗り越えなければならない壁はいくつもあります。しかし、それらのデメリットを上回るほどの魅力や、海と一体になれる感覚がそこにはあります。

大切なのは、ただ伸ばしっぱなしにするのではなく、海という環境が髪に与える影響を理解し、適切なケアを行いながらスタイルを楽しむことです。しっかりと手入れされたロングヘアは、あなたのサーフィンライフをより豊かに、そしてスタイリッシュに彩ってくれるはずです。

これからロン毛を目指す方も、すでにロン毛の方も、ぜひ自分らしいスタイルで波乗りを楽しんでください。

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