サーフィンをしていて、ドルフィンスルー(ダックダイブ)のたびに鼻に水が入ってツーンとする痛みを感じたことはありませんか。せっかく良い波が来ているのに、鼻の痛みや不快感で集中力が途切れてしまうのは非常にもったいないことです。特に初心者のうちは、波をくぐり抜ける動作に必死で、呼吸や鼻のケアまで意識が回らないことも多いでしょう。
この記事では、ドルフィンスルーで鼻に水が入らない方法を徹底的に解説します。呼吸のコントロールから姿勢の作り方、さらには海から上がった後のケアまで、痛みを克服してサーフィンをもっと快適に楽しむための具体的なテクニックをご紹介します。これを読めば、次のセッションからは鼻の痛みに悩まされることなく、パドリングに専念できるようになるはずです。
ドルフィンスルーで鼻に水が入らない方法と基本的な呼吸法

ドルフィンスルーをするときに鼻に水が入ってしまう最大の原因は、鼻腔内の圧力が外側の水圧よりも低くなってしまうことにあります。これを防ぐためには、単に息を止めるだけでなく、意識的に鼻から空気を出し続ける技術が必要です。まずは、最も効果的とされる呼吸のコツから見ていきましょう。
鼻から息を吐き続ける「ハミング」のコツ
ドルフィンスルーの最中に鼻に水が入らないようにする最も基本的なテクニックは、鼻から少しずつ息を吐き出し続けることです。このとき、口を閉じて「ふんっ」と鼻でハミングをするようなイメージを持つと、鼻腔内に適度な圧力がかかり、外からの水の侵入を物理的に防ぐことができます。
鼻から息を吐く量は、決して多くなくて構いません。細く長く吐き続けることがポイントです。一気に吐き出してしまうと、潜っている途中で息が苦しくなってしまい、逆に浮上する直前で水を吸い込んでしまう恐れがあります。鼻の穴の入り口付近で空気が常に外に向かっている状態をキープしましょう。
慣れないうちは、陸上で練習してみるのもおすすめです。口を閉じて鼻からゆっくりと息を出し、その感覚を体に覚え込ませます。実際に海に入った際も、波が来る直前に大きく息を吸い込み、潜り始める瞬間からこのハミングを開始することで、鼻への浸水を大幅に軽減できるはずです。
「鼻から空気を押し出す」という意識を持つだけで、水の入りやすさは劇的に変わります。特に波のパワーが強いときは、水圧に負けないように少し強めにハミングを意識してみてください。
潜る直前から浮上するまでのタイミング
鼻に水が入らないようにするためには、呼吸を開始するタイミングが非常に重要です。多くの人が失敗するのは、完全に水の中に潜ってから息を吐き始めようとすることです。これでは、潜った瞬間の衝撃で既に鼻の奥まで水が入ってしまっていることが少なくありません。
正しいタイミングは、ボードを沈め始め、自分の顔が水面に触れる「直前」から息を吐き始めることです。あらかじめ鼻腔内の圧力を高めておくことで、水が入る隙を与えません。また、ドルフィンスルーが終わって顔が水面に出るまで、決して息を吐くのを止めないように注意しましょう。
意外と盲点なのが、波を越えた後の浮上シーンです。波の下をくぐり抜けて安心し、水中で息を吐くのをやめてしまうと、その瞬間に残っていた水しぶきが鼻に入ることがあります。完全に顔が水面上に出て、パドリングを再開する一歩手前まで、鼻からの呼気を継続するのが鉄則です。
【呼吸のタイミングチェックリスト】
1. 波が近づいたら大きく息を吸う
2. ボードを沈め始めると同時に鼻からハミングを開始
3. 潜っている間も細く長く出し続ける
4. 顔が完全に水面に出るまで出し切る
顎を引いて頭の角度を調整する理由
呼吸法と同じくらい大切なのが、潜る際の頭の角度です。ドルフィンスルーで深く潜ろうとして前を向きすぎたり、逆に下を向きすぎたりすると、鼻の穴が水流に対してまともに開いてしまうことになります。鼻に水が入らないようにするには、顎を軽く引く姿勢が理想的です。
顎を引くことで、鼻の穴が進行方向に対してやや後ろ向き、あるいは下向きになります。これにより、前から押し寄せる波の強い水圧が直接鼻の穴に当たりにくくなります。流体力学的にも、鼻の穴が隠れるような角度を作ることで、水が入り込む隙間を物理的に塞ぐ効果があるのです。
また、顎を引く姿勢は首の怪我を防ぐためにも重要です。波の衝撃を頭頂部付近で受け流すことができるため、姿勢が安定し、ドルフィンスルー自体の成功率も高まります。潜る瞬間に「顎を胸に近づける」ようなイメージを持つと、鼻への浸水と姿勢の安定を同時に実現できるでしょう。
最初は視界が狭くなるように感じるかもしれませんが、ドルフィンスルー中は目視よりも感覚が重要です。鼻の穴を守るための最適な角度を、ぜひ意識して練習してみてください。
なぜ鼻が痛くなる?水が入るメカニズムと身体への影響

ドルフィンスルーで鼻に水が入ると、なぜあんなに「ツーン」と痛むのでしょうか。その理由を知ることで、なぜ対策が必要なのか、そしてどのようなケアをすべきなのかがより深く理解できるようになります。私たちの鼻の構造と海水の関係について詳しく解説します。
鼻の構造と水が入るメカニズム
人間の鼻の内部は、非常に複雑な空洞(鼻腔)になっています。この鼻腔のさらに奥には、副鼻腔と呼ばれる小さな部屋がいくつも存在します。通常、これらの空間は空気で満たされていますが、ドルフィンスルー中に強い水圧がかかると、空気が圧縮されたり逃げたりした隙間に海水が入り込みます。
鼻の奥には「軟口蓋(なんこうがい)」という柔らかい組織があり、飲み込みの際などに鼻と口を遮断する役割を持っています。しかし、サーフィン中の激しい動きの中では、この遮断が不完全になりがちです。特に驚いて息を呑んだり、不適切なタイミングで息を止めたりすると、海水が奥深くまで一気に侵入してしまいます。
海水が鼻の入り口付近に留まれば痛みは少ないですが、副鼻腔と呼ばれる神経が集中しているエリアまで到達すると、鋭い痛みを感じます。これが、私たちが経験するあの独特な不快感の正体です。
海水が鼻の奥(副鼻腔)に与える刺激
海水が鼻に入って痛む最大の理由は「浸透圧」の違いです。人間の体液の塩分濃度は約0.9%ですが、海水の塩分濃度は約3.5%と非常に高くなっています。この濃度の差が鼻の粘膜に強い刺激を与え、細胞から水分を奪おうとするため、激しい痛みや炎症を引き起こすのです。
また、海水には塩分だけでなく、プランクトンや雑菌、砂などの微粒子も含まれています。これらが繊細な鼻の粘膜に付着することで、物理的な刺激となり、さらなる痛みを誘発します。特に冬場の冷たい水は、温度刺激も加わるため、痛みが増幅されやすく感じるのが特徴です。
このように、海水は化学的(塩分)、物理的(異物)、温度的(冷たさ)という3つの側面から鼻の奥を刺激します。この刺激が神経を伝わり、脳に「痛み」として報告されるため、サーフィン中に強い不快感を抱くことになるのです。
「ツーン」とする痛みを防ぐための予備知識
痛みを最小限に抑えるためには、鼻のコンディションを整えておくことも有効です。鼻炎や花粉症などで粘膜が腫れている状態だと、隙間が狭くなり、一度入った水が排出されにくくなります。その結果、痛みが長時間続いたり、炎症が悪化したりすることもあります。
また、心理的な緊張も関係しています。「鼻に水が入るのが怖い」と過剰に緊張すると、呼吸が浅くなり、ドルフィンスルーの動作がぎこちなくなります。すると結果的に鼻から息を出す余裕がなくなり、浸水を許してしまうという悪循環に陥ります。
まずは、正しい技術(ハミングや顎の角度)を身につければ痛みは防げるという自信を持つことが大切です。鼻腔の構造上、適切な圧力をかけていれば水は入ってこないという仕組みを理解し、リラックスして波に挑むことが、結果として一番の痛み対策になります。
万が一水が入ってしまった場合でも、パニックにならずに次の動作へ移る精神的な余裕を持つことも、サーフィン上達には欠かせない要素と言えるでしょう。
鼻への浸水を物理的にブロックする対策と便利グッズ

呼吸法やテクニックだけではどうしても解決できない場合や、より確実に鼻を守りたい場合には、便利なアイテムを活用するのが賢い方法です。プロサーファーの中にも、鼻の健康を守るためにアイテムを使っている人は少なくありません。ここでは、物理的に水をブロックする方法をご紹介します。
ノーズクリップ(鼻栓)のメリットとデメリット
最も確実に鼻に水が入らないようにする方法は、ノーズクリップを使用することです。アーティスティックスイミング(シンクロ)の選手が使っているようなもので、鼻の穴を外側から挟んで完全に密閉します。これを使えば、どんなに激しいドルフィンスルーでも浸水の心配はありません。
メリットは、呼吸のタイミングを全く気にしなくて良くなる点です。鼻からの浸水を100%カットできるため、副鼻腔炎になりやすい人や、鼻の痛みに極端に弱い人にとっては非常に心強い味方になります。ドルフィンスルー自体に集中できるため、上達が早まるという副次的な効果も期待できます。
一方で、デメリットもあります。まず、口呼吸しかできなくなるため、激しいパドリングの際に息苦しさを感じることがあります。また、波に巻かれた際に外れて紛失してしまうリスクも高いです。さらに、見た目が気になるという人も多いため、使用する際はストラップ付きのものを選ぶなどの工夫が必要になります。
サーフィン専用のノーズクリップも販売されていますが、水泳用のものでも代用可能です。まずは安価なもので自分に合うか試してみるのが良いでしょう。
鼻うがいを習慣化して粘膜を強くする
アイテムで防ぐだけでなく、鼻そのものを強くする対策も有効です。その筆頭が「鼻うがい」です。サーフィン前後に専用の洗浄液で鼻を洗うことで、粘膜のバリア機能を高め、海水による刺激に強い鼻を作ることができます。
サーフィン前に鼻うがいを行うと、鼻の通りが良くなり、ドルフィンスルー時の呼吸コントロールがしやすくなります。鼻詰まりがある状態だと、片方の鼻の穴からだけ空気が抜けてしまい、もう片方から水が入るという事態になりがちですが、両方の通りを良くしておくことで、均等に圧力をかけられるようになります。
また、サーフィン後に鼻うがいをすることは、入り込んだ海水や雑菌を洗い流すために極めて重要です。そのままにしておくと炎症が長引き、蓄膿症の原因にもなります。市販の鼻洗浄キットを使えば、痛みを感じることなく鼻の奥までスッキリさせることができるので、サーファーにとって必須の習慣と言えます。
日頃からのケアが、海でのトラブルを防ぐ最強の防御策になります。鼻の健康を維持することは、サーフィンを長く続けるための秘訣でもあります。
ワセリンを鼻の入り口に塗る裏技
あまり知られていない裏技として、ワセリンを鼻の穴の入り口付近に薄く塗るという方法があります。ワセリンは油分であるため、水を弾く性質(撥水性)を持っています。これを活用することで、水が鼻の入り口に触れた瞬間に内側へ流れ込むのをある程度防ぐことができます。
やり方は簡単で、清潔な指でワセリンを少量取り、鼻の穴の縁(内側数ミリ程度)に塗るだけです。これだけで、細かい水しぶきや小さな浸水であれば、ワセリンの膜がガードしてくれます。特に寒い時期の冷たい水から粘膜を守る保護膜としても機能するため、冬のサーフィンには特におすすめです。
ただし、塗りすぎには注意してください。奥まで塗りすぎたり、大量に塗ったりすると、逆に呼吸の邪魔になったり、不快感を感じたりすることがあります。あくまで「入り口のバリア」として、薄く均一に伸ばすのがコツです。
この方法はノーズクリップのような煩わしさがなく、誰でも手軽に試せるのが魅力です。普段使っているウェット擦れ防止用のワセリンがあれば、ぜひ次のサーフィンで試してみてください。
水の侵入を最小限に抑えるドルフィンスルーの動作改善

鼻に水が入るのは、ドルフィンスルーの技術そのものが未熟で、波の衝撃をまともに受けてしまっていることも一因です。スムーズに深く潜ることができれば、水面付近の激しい泡や渦に巻き込まれる時間が短くなり、鼻への浸水リスクも下がります。ここでは、動作の質を高めるためのポイントを深掘りします。
ボードを沈める深さと角度のポイント
ドルフィンスルーで最も大切なのは、ボードをしっかりと深く沈めることです。浅い位置で波を受けてしまうと、波のパワーが最も強い「リップ(波の先端)」や「ホワイトウォーター(白い泡)」が顔に直撃します。これが鼻に水が押し込まれる大きな原因となります。
ボードを沈める際は、まずノーズ(先端)をぐっと深く押し込みます。このとき、腕の力だけでなく体重をしっかりと乗せることが重要です。理想的なのは、波が来る場所よりも少し深めの位置に潜り込むことです。深く潜れば潜るほど、水中の流れは静かになり、鼻腔にかかる外圧も安定します。
また、潜り込む角度にも注目しましょう。水面に対して垂直に近い角度で突き刺すように沈めると、深く潜れますが、その後の浮上が難しくなります。斜め45度くらいの角度でスムーズに水中へ滑り込むようなイメージを持つと、水の抵抗を最小限に抑えつつ、鼻への負担も軽減できます。
ボードと自分の体が一体となって、スムーズな放物線を描くようなドルフィンスルーを目指しましょう。深く潜ることこそが、結果として鼻を水圧から守る最善の策となります。
膝や足の蹴り出しで深く潜るテクニック
腕の力だけでボードを沈めようとすると、どうしても限界があり、顔が水面に近い状態で波を迎えることになります。ここで重要なのが、膝や足を使った「蹴り出し」の動作です。ボードのテール(後部)を膝または足の裏で力強く押し込むことで、ボード全体を深く平行に沈めることができます。
膝で蹴るタイプ(ニーダイブ)と足の裏で蹴るタイプ(フットダイブ)がありますが、どちらにせよ、ノーズを沈めた後にテールをグッと押し込むタイミングが重要です。この動作によってボードが水平に近くなり、体全体が波のエネルギーの下をくぐり抜けるような形になります。
深く潜れるようになると、鼻にかかる衝撃も驚くほど少なくなります。波の下を滑るように進んでいる間は、水が無理やり鼻に入ってくるような感覚がほとんどなくなるはずです。逆に、テールが浮いてしまうと、お尻から波のパワーを受けてしまい、姿勢が崩れて鼻から大量に水を飲んでしまうことになります。
パドリングの勢いを殺さず、リズムよくテールを蹴り出す練習を重ねましょう。しっかり潜れるようになれば、鼻の痛みに怯えることなく、大きな波のセットが来ても落ち着いて対応できるようになります。
波の下を潜り抜ける際の体の密着度
ドルフィンスルー中に体とボードの間に隙間があると、そこを強い水流が通り抜け、複雑な渦を作ります。この渦が顔の周りで発生すると、予期せぬ方向から鼻に水が入ってくる原因となります。鼻を守るためには、潜っている間、ボードに体をしっかりと密着させることが欠かせません。
特に胸からお腹にかけてをボードに吸い付かせるようなイメージでホールドします。こうすることで、体とボードが一つの流線型となり、水流がスムーズに体の後ろへ流れていきます。顔の周りの水の乱れが少なくなれば、呼吸のコントロール(ハミング)もしやすくなり、浸水の可能性を大幅に下げることができます。
また、肘を外側に広げすぎないこともポイントです。脇を締め、コンパクトなフォームを作ることで、前面から受ける水圧の面積を小さくできます。これは鼻への水圧を抑えるだけでなく、ドルフィンスルー全体の体力消耗を抑えることにも繋がります。
【動作改善の3大チェックポイント】
1. 体重を乗せてノーズを深く押し込めているか
2. 膝や足を使ってテールをしっかり沈めているか
3. ボードと体が離れず、密着したフォームを作れているか
海から上がった後の鼻水をスッキリさせるアフターケアと注意点

どんなに気をつけていても、多少の水が入ってしまうことはあります。大切なのは、その後のケアです。鼻の中に海水が残ったままだと、数時間後に突然水が出てきたり、炎症を起こして鼻詰まりがひどくなったりします。海上がりに行うべき正しいアフターケアを確認しておきましょう。
海から上がった後の「おじぎ」ポーズ
サーフィン後、着替えの最中などに突然鼻から「たらーっ」と透明な水が出てきて驚いたことはありませんか。これは副鼻腔の中に溜まっていた海水が、頭を動かした拍子に出てくる現象です。これを防ぐためには、海から上がってすぐに、意識的に水を出し切る必要があります。
おすすめなのが「おじぎ」のポーズです。まず、足を肩幅に広げて立ち、腰からゆっくりと上半身を前に倒していきます。頭が膝の高さくらいに来るまで深くおじぎをし、そのままの状態で頭を左右にゆっくり振ってみてください。この角度の変化により、副鼻腔の奥に隠れていた水が重力で鼻の穴の方へ移動してきます。
このとき、無理に鼻をかむ必要はありません。自然に垂れてくるのを待つか、鼻の入り口を軽く押さえる程度にしましょう。この「おじぎポーズ」を数回繰り返すだけで、後の不快感をかなり軽減できます。駐車場に戻った際のルーティンとして取り入れてみてください。
鼻をかみすぎない!耳への負担を減らす方法
鼻に水が入ると、どうしても強くかみたくなりますが、これは要注意です。海水の刺激で粘膜がデリケートになっている状態で強く鼻をかむと、鼻腔内の圧力が急上昇し、海水や細菌が耳管を通って「耳」の方へ押し込まれてしまうことがあります。これが中耳炎の原因になることもあるのです。
鼻をかむときは、必ず片方ずつ、優しく小刻みに行うのが鉄則です。両方の鼻を一度に強くかむのは避けましょう。また、鼻の中に砂や異物が残っている感覚があるときは、かむ前に真水で軽くすすぐ(鼻うがいをする)のが理想的です。
もし、耳の中に水が入ったような違和感や「ポコポコ」という音が続く場合は、無理に鼻をかんだり耳掃除をしたりせず、自然に抜けるのを待つか、早めに耳鼻科を受診するようにしてください。サーファーにとって鼻と耳のトラブルは隣り合わせですので、常にセットでケアを考える必要があります。
鼻をかむときは、口を少し開けておくと耳への圧力を逃がすことができます。ちょっとした工夫で、耳のトラブルを未然に防ぎましょう。
副鼻腔炎(蓄膿症)のリスクと予防
頻繁にドルフィンスルーを行い、日常的に鼻に海水が入る環境にいるサーファーは、慢性的な「副鼻腔炎」になりやすいと言われています。いわゆる「サーファーズ・シヌサイティス(サーファーの副鼻腔炎)」です。海水に含まれる雑菌が鼻の奥で繁殖し、炎症が慢性化してしまう状態です。
これを予防するためには、前述した「鼻うがい」が最も効果的です。海から上がった後、できるだけ早い段階で真水(できれば体温に近いぬるま湯の生理食塩水)で鼻の奥を洗浄しましょう。これにより、炎症の元となる塩分、砂、細菌をきれいに取り除くことができます。
また、体調が優れないときは無理をしないことも大切です。風邪気味のときは鼻の粘膜が既に弱っているため、少しの浸水でも炎症が悪化しやすくなります。少しでも鼻に違和感があるときは、ドルフィンスルーの回数を減らすようなライディングを心がけるか、思い切って海に入らない選択をすることも、長期的にサーフィンを楽しむためには重要です。
鼻の健康は、快適なサーフィンライフの基盤です。たかが鼻水と思わず、プロレベルの意識でセルフケアを徹底しましょう。
まとめ:ドルフィンスルーで鼻に水が入らない方法を習得して快適なサーフィンを
ドルフィンスルーで鼻に水が入らない方法をマスターすることは、サーフィンの快適性を飛躍的に高めるだけでなく、健康を守るためにも非常に重要です。今回ご紹介したテクニックや知識を振り返り、次回のサーフィンからぜひ実践してみてください。
まず最も大切なのは、潜る直前から浮上するまで鼻から少しずつ息を出し続ける「ハミング」です。鼻腔内の圧力を高めることで、物理的に水の侵入をブロックします。これに加えて、顎を軽く引いて頭の角度を調整することで、水圧が鼻の穴に直撃するのを防ぐことができます。
また、以下のポイントも非常に有効です。
・ボードを深く、鋭く沈める技術を磨く(水面の泡を避ける)
・ワセリンやノーズクリップなどのアイテムを賢く活用する
・海上がりの「おじぎポーズ」と「鼻うがい」を習慣にする
鼻に水が入って痛むのは、誰しもが通る道です。しかし、正しい技術とケアを知っていれば、その不快感は最小限に抑えられます。鼻のトラブルから解放されれば、視界も思考もクリアになり、もっと自由に、もっと楽しく波に乗ることができるはずです。快適なサーフィンライフを目指して、今日から鼻のケアとトレーニングを始めていきましょう。



