ウェットスーツの着方を完全マスター!初心者でもスムーズに着替えるコツ

ウェットスーツの着方を完全マスター!初心者でもスムーズに着替えるコツ
ウェットスーツの着方を完全マスター!初心者でもスムーズに着替えるコツ
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サーフィンを始める際、最初の難関となるのがウェットスーツの着替えです。「きつくて足が入らない」「途中で汗だくになってしまう」「爪で引っ掻いてしまった」といった失敗は、初心者なら誰もが一度は経験するものです。しかし、正しい手順とちょっとしたコツさえ掴めば、驚くほどスムーズに着ることができます。着替えのストレスを減らせば、海に入る前の体力消耗を防ぎ、サーフィンそのものをより長く楽しむことができます。この記事では、ウェットスーツの基本的な着方から、種類別のポイント、そして脱ぎ方までを丁寧に解説します。

ウェットスーツの着方における基本の準備と心構え

ウェットスーツを着る作業は、単に衣服を身につけるのとはわけが違います。ゴム製の体に密着するスーツを着るためには、事前の準備とちょっとした知識が不可欠です。海に着いていきなり着始めるのではなく、まずはスムーズに着替えるための環境と状態を整えましょう。ここでは、着替えを始める前に確認すべき重要なポイントを解説します。

爪を切り、アクセサリーは外しておく

ウェットスーツ、特に「スキン」と呼ばれるゴム素材が表面に使われているタイプは、非常にデリケートです。爪が少し伸びているだけで、生地を引っ張り上げる際に簡単に裂けてしまうことがあります。サーフィンに行く前日には必ず爪を短く切り、ヤスリをかけて滑らかにしておく習慣をつけましょう。

また、指輪、ネックレス、ピアス、時計などのアクセサリー類は、着替えの前にすべて外してください。これらがウェットスーツの内側に引っかかると、生地を傷つけるだけでなく、怪我の原因にもなります。特に石のついた指輪などは、裏地のジャージ素材を毛羽立たせてしまうこともあるため注意が必要です。

女性の方でネイルアートをしているなど、どうしても爪が長い場合は、指先を使わずに「指の腹」を使って生地をつまむ技術が必要です。あるいは、薄手の手袋を着用してから着替えるという方法もあります。生地へのダメージを最小限に抑える意識を持つことが、ウェットスーツを長持ちさせる第一歩です。

汗や水分は着替えの大敵

ウェットスーツを着る際、最も邪魔になるのが「水分」です。特に夏場や暖かい日は、着替えている最中に汗をかいてしまい、その汗が摩擦となって生地が肌に張り付いてしまいます。こうなると、どんなに力一杯引っ張ってもスーツは上がってきません。

着替える前には、タオルで体の汗や水分をしっかりと拭き取ってください。もし汗が止まらない場合は、車のエアコンで体を冷やしたり、日陰で少し休憩して体温を下げたりしてから着替えるのが賢明です。肌がサラサラの状態であれば、ウェットスーツは驚くほどスムーズに体を通ります。

逆に、肌が乾燥しすぎている冬場などは、ボディクリームなどを薄く塗っておくことで滑りを良くする方法もありますが、塗りすぎるとウェットスーツの生地を傷める可能性もあるため、基本は「乾いた素肌」を目指すと良いでしょう。

裏技アイテム「ビニール袋」を用意する

ウェットスーツの着脱を劇的に楽にする最強のアイテムが、スーパーやコンビニの「ビニール袋」です。これを足や手に被せてからスーツを通すことで、摩擦抵抗をほぼゼロにすることができます。特に足首や手首の狭い部分を通す際に、その効果を実感できるはずです。

使い方は簡単です。まず足にビニール袋を履き、その上からウェットスーツを通します。足首が通り、膝までスーツが上がったら、裾からビニール袋を引き抜くだけです。このひと手間を加えるだけで、着替えにかかる時間は半分以下に短縮されます。

このビニール袋テクニックは、初心者に限らず上級者もよく使うテクニックです。着替え用のバッグに常に2〜3枚のビニール袋を入れておくことを強くおすすめします。スムーズな着替えは、余計な力を使わず、ウェットスーツの生地も傷めないため一石二鳥です。

インナーウェアを活用して滑りを良くする

素肌の上に直接ウェットスーツを着るのが一般的ですが、着心地や着やすさを向上させるために「インナーウェア」を活用するのも一つの手です。サーフィン用のインナーパンツや、薄手のラッシュガードを中に着ることで、肌とスーツの間の摩擦を減らすことができます。

特に、太ももやふくらはぎの引っかかりが気になる方は、ロングタイプのインナーパンツを履くと、スーツがスルスルと上がってきます。また、インナーを着ていれば、駐車場などでの着替えの際に見えても安心というメリットもあります。

ただし、綿素材の下着やTシャツは水分を含んで重くなり、体温を奪う原因になるため避けてください。必ず速乾性と伸縮性に優れた、ナイロンやポリエステル素材のサーフィン専用インナーを選びましょう。

実践!ウェットスーツをスムーズに着るための具体的な手順

準備が整ったら、いよいよ実際にウェットスーツを着ていきます。ここでは、最も一般的な「フルスーツ(長袖長ズボン)」を例に、足元から首元までの手順を詳しく解説します。大切なのは「一度に引き上げようとしないこと」です。少しずつ、確実に体にフィットさせていくことが、最終的な着心地の良さにつながります。

手順1:スーツを腰まで裏返してセットする

ウェットスーツをハンガーから外していきなり足を入れるのではなく、まずは準備段階としてスーツを「裏返し」にします。完全に裏返すのではなく、上半身の部分を腰のあたりまでめくり、下半身だけの状態にします。

こうすることで、足を入れる距離が短くなり、最初のアプローチが非常に楽になります。また、裏地(ジャージ素材)が表に出ることで、手で掴みやすくなるというメリットもあります。この「腰まで裏返し」の状態からスタートするのが、ウェットスーツ着用の基本中の基本です。

冬用の裏起毛タイプのスーツの場合、起毛素材は滑りやすいものが多いですが、それでも厚みがあるため、この折り返し作業は必須です。丁寧に折り返し、足の入口をしっかり確保してから着替えを始めましょう。

手順2:足首から膝まで確実に引き上げる

ビニール袋を足に被せ(使用する場合)、片足ずつ慎重に入れていきます。まずは足首(くるぶし)の位置を完全に合わせます。ここで足首の位置がずれていると、後で修正するのは非常に困難です。

足首が決まったら、ふくらはぎ、そして膝へと少しずつ生地を引き上げていきます。この時、膝にある「膝パッド」の位置が、自分の膝小僧とぴったり合うように調整してください。膝パッドがずれていると、テイクオフの動作やパドリング中に違和感を感じることになります。

生地を引っ張り上げる際は、爪を立てないように注意し、手のひら全体や指の腹を使って、生地を「揉み上げる」ようなイメージで行うとスムーズです。両足とも膝までしっかりと上がり、シワがない状態を確認してから次のステップへ進みます。

手順3:最重要!腰と股の位置を合わせる

ウェットスーツを着る工程の中で、最も失敗しやすく、かつ重要なのがこの「股合わせ(またあわせ)」です。膝まで上がったスーツを、太ももを通し、股の付け根まで引き上げます。この時、股の部分に隙間ができないよう、しっかりと密着させることが大切です。

もし股の下に空間が空いたまま上半身を着てしまうと、肩周りが下に引っ張られ、パドリングの際に腕が回しにくくなります。また、足が開脚しづらくなるため、ライディングにも悪影響を及ぼします。

少し前かがみになったり、スクワットをするような体勢をとったりしながら、お尻と太ももの生地を少しずつ引き上げ、股のラインを完璧にフィットさせてください。「少し食い込むかな?」と思うくらいしっかりと引き上げておくのがポイントです。

手順4:胴体を通し、片腕ずつ慎重に入れる

下半身が完璧に決まったら、腰まで折り返していた上半身部分を元に戻し、お腹から胸へと生地を引き上げます。この時点で、スーツのウエストラインが自分の腰の位置に来ていることを確認しましょう。

次に腕を通します。両腕を同時に通そうとすると身動きが取れなくなるため、必ず「片腕ずつ」行います。まず利き腕から通すと楽な場合が多いです。袖口に手を通し、手首の位置を合わせたら、肘、肩へと生地を寄せていきます。

この時も、無理に引っ張るのではなく、腕を曲げ伸ばししながら、生地を肩の方へ送るように動かします。肩周りに生地の余裕を持たせることが、パドリングの疲労軽減につながります。片腕が終わったら、もう片方の腕も同様に通します。

タイプ別!バックジップとチェストジップの着方の違い

ウェットスーツには、背中にファスナーがある「バックジップ」、胸元にファスナーがある「チェストジップ」など、いくつかの種類(エントリーシステム)があります。基本的な手順は同じですが、上半身の着方や仕上げの部分でそれぞれコツが異なります。自分のスーツのタイプに合わせた正しい着方を理解しましょう。

バックジップタイプの着用のコツ

バックジップは最もクラシックで、開口部が広いため初心者でも比較的着やすいタイプです。両腕を通し終えたら、背中にある長い紐(引き手)を腰の方から探り当てます。

紐を掴んだら、真上に引き上げるのではなく、一度背中を反らせて肩甲骨を寄せるようにし、ファスナーが一直線になるイメージで引き上げるとスムーズに閉まります。力任せに引っ張るとファスナーが噛んでしまったり、破損したりする原因になります。

最後に首元のマジックテープ(ベルクロ)を止めます。この時、首の皮膚を挟まないように注意してください。また、ファスナーの内側にある「バリア」と呼ばれる布地が、めくれたり折れたりしていないか確認することも重要です。これが整っていないと、背中から大量の水が侵入してしまいます。

チェストジップ・ロングチェストジップのコツ

近年主流となっているのが、胸元にファスナーがあるタイプです。これらは首元の開口部から体を滑り込ませるようにして着ます。下半身から胴体まで着た後、首元の開口部を両手でしっかりと広げ、そこへ片腕ずつ、あるいは両腕を入れていきます。

一番の難所は「頭を通す」瞬間です。特に「ノンジップ」や開口部が狭いタイプの場合、顔が引っかかって苦しい思いをすることがあります。コツは、息を吐いて体を小さくし、一気に頭を通すこと。そして、頭が出たらすぐに首周りのジャージを整えます。

「ロングチェストジップ」と呼ばれる、胸のファスナーが左右の腕まで長く伸びているタイプは、開口部が非常に広がるため、従来のチェストジップよりも格段に着やすくなっています。ファスナーを閉める際は、胸の生地を中央に寄せるようにしてからスライダーを動かすとスムーズです。

ノンジップ(ジップレス)タイプのコツ

ファスナーを一切使用しないノンジップタイプは、運動性能と防水性が最も高い反面、着脱の難易度も高めです。首周りの生地が何層にも重なっている構造が多く、入り口を見つけるのに戸惑うこともあります。

着る際のポイントは、首の開口部を限界まで広げて、片方の肩をしっかりと入れ込んでしまうことです。片肩が入れば、もう片方は比較的スムーズに入ります。無理に引っ張ると首周りの生地が伸びてしまい、水の侵入原因となるため、慎重さが必要です。

着終わった後は、首周りの生地が内側に折れ込んでいないか、指を入れて一周確認しましょう。生地が折れていると、そこから水が入ってきたり、首擦れの原因になったりします。

初心者がやりがちな失敗と対処法

初めてウェットスーツを着る際、誰もが陥りやすいトラブルがあります。これらを事前に知っておくことで、パニックにならず冷静に対処できます。ここでは、よくある失敗例とその解決策を紹介します。

失敗1:生地を爪で引っ掻いて破いてしまう

最も多い失敗です。特に太ももやふくらはぎを引き上げる際、指先に力が入りすぎて爪が生地に食い込み、「プツッ」と穴が開いてしまいます。これは修理が必要になるため、精神的なショックも大きいです。

対処法:
万が一破いてしまった場合は、海に入る前に「ウェットボンド」で応急処置をしましょう。小さな傷であれば、自分でボンドを塗って塞ぐことができます。もし大きな裂け目になってしまった場合は、浸水して体が冷えるため、その日のサーフィンは諦めるか、ショップに修理を依頼する勇気も必要です。

失敗2:股や脇に隙間ができてパドリングが苦しい

着終わった後に「なんだか腕が重い」「足が開かない」と感じる場合、それは生地が適切な位置まで上がっていない証拠です。特に股下の隙間は、テイクオフの動作を遅らせる致命的な原因になります。

対処法:
一度上半身を脱いで、腰の位置からやり直すのが確実です。面倒に感じるかもしれませんが、海に入ってからでは直せません。陸にいるうちに、スクワットや腕を回す運動をして、生地を体の中心へ寄せるように調整してください。

失敗3:裏表や前後を間違えてしまう

笑い話のようですが、初心者には意外と多いミスです。膝パッドがふくらはぎにあったり、バックジップが前に来ていたりすることに、着終わってから気づくケースです。

対処法:
着る前に必ず「膝パッドの位置」と「ロゴの位置」を確認しましょう。基本的に膝パッドは前にあります。また、ブランドロゴは胸か背中に大きく入っていることが多いので、それを目印にします。少しでも「形がおかしいな」と思ったら、足を入れる前に再確認する癖をつけましょう。

失敗4:どうしても腕や肩が入らない

サイズが合っていない、あるいは汗で張り付いてしまい、最後の一押しが入らない状況です。無理やり押し込もうとすると、肩の関節を痛めたり、酸欠になったりする恐れがあります。

対処法:
一度落ち着いて深呼吸し、汗が引くのを待ちます。それでもダメな場合は、誰かに手伝ってもらいましょう。背中側の生地を引っ張り上げてもらうだけで、すんなり入ることがあります。また、真夏以外であれば、シャワーの水やペットボトルの水を被り、潤滑剤として利用するのも最終手段として有効です。

サーフィン後も大切!ウェットスーツの正しい脱ぎ方とお手入れ

サーフィンを楽しんだ後、疲れた体でウェットスーツを脱ぐのは一苦労です。しかし、乱暴に脱ぐとスーツの寿命を縮めてしまいます。着る時と同様に、脱ぐ時にも正しい手順があります。次回も気持ちよく着られるよう、ケアまで含めた一連の流れをマスターしましょう。

濡れている時は裏返しながら脱ぐのが鉄則

ウェットスーツは、脱ぐと完全に「裏返し」の状態になるのが正解です。まず、肩周りから腕を抜きますが、この時も片腕ずつ行います。片方の肘を抜き、手首まで裏返して手を抜きます。

上半身が脱げたら、そのまま腰、太もも、膝へと、皮をむくように裏返しながら下げていきます。決して表側のまま引っ張り下ろそうとしてはいけません。裏地は滑りが良いため、裏返す力を利用することでスムーズに脱ぐことができます。

足が抜けない時の対処テクニック

最後に残る難関が「足首」です。特にかかとの部分は引っかかりやすく、バランスを崩して転倒してしまうこともあります。

スムーズに足を抜くコツ

・片足のかかとを、もう片方の足の甲で押さえて脱ぐ。
・指をかかと部分に入れ込み、テコの原理で押し出す。
・座って安定した状態で、ゆっくりと引き抜く。

無理に引っ張って足首のゴムを引きちぎらないよう、最後まで慎重に行いましょう。また、コンクリートやアスファルトの上で直接着替えると、スーツが傷ついたり砂がついたりするため、必ず「着替え用ポンチョ」を着て、スノコやバケツ、マットの上で脱ぐようにしてください。

シャワーで塩分を落とし、陰干しする

脱いだウェットスーツは、できるだけ早く真水で洗います。海水の塩分がついたまま放置すると、ゴムが硬化し、柔軟性が失われてしまいます。これが、次に着る時に「きつい」「硬い」と感じる原因になります。

専用のシャンプーや柔軟剤を使えばベストですが、毎回でなくても構いません。とにかく「真水で塩を抜く」ことが最優先です。洗った後は、太いハンガーにかけて、直射日光の当たらない風通しの良い場所で陰干ししてください。日光(紫外線)はゴムを劣化させる最大の要因です。

正しい手入れを続けることで、ウェットスーツの柔らかさが保たれ、次回の着替えが驚くほど楽になります。

ウェットスーツの着方まとめ:正しい手順でサーフィンを存分に楽しもう

まとめ
まとめ

ウェットスーツの着方は、サーフィン上達のための隠れた重要スキルです。正しい着方をマスターすることで、海に入る前の無駄な体力消耗を防ぎ、パドリングやライディングのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。

今回ご紹介したように、爪やアクセサリーに気をつけ、ビニール袋などの便利テクニックを活用し、股や肩の位置をしっかり合わせることがポイントです。最初は時間がかかるかもしれませんが、慣れてくれば数分でスムーズに着替えられるようになります。

自分の体にフィットしたウェットスーツを正しく着て、ストレスフリーな状態で波乗りを楽しみましょう。準備万端で海に向かうその瞬間から、あなたの素晴らしいサーフィンライフは始まっています。

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