サーフィンを目的にした車中泊の旅は、波の良いポイントで朝一番から海に入れる最高のスタイルです。しかし、サーフボードやウェットスーツ、着替えや食料など、どうしても荷物が多くなりがちです。「寝るスペースが荷物で埋まってしまい、足を伸ばして眠れない」「寝る前に毎回荷物の大移動をするのが面倒」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。車内のスペースには限りがあるため、荷物を車の外に出すことができれば、快適さは劇的に向上します。
そこで今回は、車中泊で荷物を外に置くための具体的な方法や、便利なアイテムについて詳しく解説します。また、屋外に荷物を出す際に絶対に守らなければならないマナーや注意点、盗難防止対策についても触れていきます。ルールを正しく理解し、アイテムを上手に活用して、ストレスのない快適なサーフトリップを実現しましょう。
車中泊で荷物を外に出すメリットと基本的な考え方

車中泊をする際、限られた車内空間をいかに有効に使うかは非常に重要なテーマです。特にサーフィンのような道具が多いアクティビティでは、荷物の配置が居住性を大きく左右します。まずは、荷物を車外に出すことで得られるメリットと、その前提となる考え方について見ていきましょう。
寝るスペースを広々確保して翌日の波乗りに備える
車中泊において最も大切なのは、しっかりと睡眠をとって疲れを癒やすことです。しかし、車内にサーフボードや大きなバッグが積まれたままだと、寝返りを打つことも難しく、窮屈な姿勢で朝を迎えることになります。これでは十分な休息ができず、翌日のサーフィンのパフォーマンスにも影響が出てしまうでしょう。
荷物を車の外、あるいはルーフなどの外部収納に移すことができれば、シートをフルフラットにして手足を思い切り伸ばせるスペースが生まれます。まるで家の布団で寝ているかのような快適な環境を作ることができれば、長距離運転や連日のサーフィンによる疲労もスムーズに回復できます。広々とした就寝スペースは、楽しいトリップを続けるための土台となるのです。
濡れたウェットスーツや砂のついたギアを車内に入れない
サーファーならではの悩みとして、濡れたウェットスーツや砂のついた道具の管理が挙げられます。これらをそのまま車内に入れてしまうと、湿気で車内がジメジメしたり、嫌なニオイが充満したりする原因になります。また、乾いた砂がシートの隙間に入り込むと、掃除をするのも一苦労です。
外部収納をうまく活用すれば、濡れたものや汚れ物を車内の生活スペースから隔離することができます。防水性の高いボックスやキャリアを使用することで、車内は常に清潔で乾燥した状態を保てます。特に雨の日や冬場のサーフィン後は、車内を結露から守るためにも、湿気の原因となる荷物を外に出せると非常に効果的です。
荷物の積み降ろしストレスを軽減する動線作り
車内に全ての荷物を積んでいると、寝る場所を作るために助手席や運転席へ荷物を移動させる「パズル」のような作業が毎晩発生します。サーフィンを終えて疲れている時に、重い荷物をあちこち動かすのは意外と大きなストレスになるものです。また、夜中に急に物が必要になった時、荷物の山の下にあって取り出せないという事態も避けたいところです。
あまり使わないものや嵩張るものを外部の定位置に収納しておけば、車内のセッティング変更が最小限で済みます。到着してすぐにリラックスモードに入れたり、早朝の着替えがスムーズに行えたりと、動作の無駄がなくなることで時間にも心にも余裕が生まれます。
「車外」の定義とは?公共駐車場とキャンプ場の違いを理解する
「荷物を外に出す」といっても、地面に直接荷物を広げていい場所と、そうでない場所があります。ここを混同してしまうと、トラブルの原因やマナー違反となってしまいます。基本的に、道の駅やサービスエリアなどの公共駐車場では、車の外(地面)に荷物を置くことは許されていません。これらはあくまで休憩施設であり、宿泊施設ではないからです。
一方で、オートキャンプ場やRVパークといった施設であれば、割り当てられた区画内であれば自由に荷物を広げることができます。自分がこれから泊まる場所がどのようなルールで運営されているのかを事前に把握し、その場に応じた適切な「外」の使い方を選ぶことが重要です。次のセクションからは、具体的な収納アイテムについて紹介します。
車の外に荷物を積載するための便利アイテムと選び方

車外に荷物を置くためには、専用のアイテムを活用するのが一番の近道です。車の形状や積みたい荷物の量、予算に合わせて最適なギアを選ぶことで、積載能力は何倍にも広がります。ここではサーファーに人気の高い代表的なアイテムを紹介します。
ルーフボックスは防水・防犯に優れたサーファーの強い味方
車の屋根に取り付ける「ルーフボックス」は、サーファーにとって最もポピュラーで実用的な選択肢と言えます。流線型のハードケースで完全に覆われているため、雨風を完全にシャットアウトできるのが最大の特徴です。濡れたウェットスーツやブーツ、着替えなどを気兼ねなく放り込めるため、車内を汚す心配がありません。
また、多くのルーフボックスにはしっかりとした施錠機能がついているため、防犯面でも安心感があります。サービスエリアでの休憩中や、海に入っている間も、荷物を盗難のリスクから守ることができます。高さ制限のある駐車場には注意が必要ですが、容量と安心感を両立したいなら迷わず選びたいアイテムです。
ルーフラックと防水コンテナで無骨に積載量をアップさせる
ルーフボックスに入りきらないような大きな荷物や、形状が不規則なものを積みたい場合は「ルーフラック」がおすすめです。カゴ状のラックを屋根に取り付け、その上に荷物を載せてネットやベルトで固定します。見た目もアウトドア感が強く、ワイルドなスタイルを好むサーファーに人気があります。
ルーフラックを使用する場合は、荷物が濡れないように防水性のある「トランクカーゴ」や「コンテナボックス」を併用するのが一般的です。頑丈なボックスにキャンプ道具や予備のパーツを詰め込み、ラックに固定します。ただし、ボックスごと盗まれないようにワイヤーロックをかけたり、走行中に荷物が落下しないよう強固に固定したりする工夫が必要です。
ヒッチキャリアでアクセス抜群の収納スペースを作る
車の後部にあるヒッチメンバーに取り付ける「ヒッチキャリア(リアキャリア)」は、近年注目を集めているアイテムです。屋根の上に荷物を上げるのは重労働ですが、ヒッチキャリアなら腰の高さ程度で荷物の出し入れができるため、女性や小柄な方でも扱いやすいのがポイントです。
クーラーボックスやポリタンクなど、重たくて嵩張る水回り用品を積むのに最適です。使用しない時は折りたたんでおけるタイプもあります。注意点としては、荷物を積んだ際にナンバープレートやブレーキランプが隠れないようにすることや、車体の全長からのはみ出し制限(全長の10%程度までなど)を守る必要があります。法律を遵守した取り付けを行いましょう。
サイドオーニングやカーサイドタープで居住空間を拡張
「サイドオーニング」や「カーサイドタープ」は、車の側面に屋根を作り出し、リビングスペースを拡張できるアイテムです。これらは走行中に荷物を積むものではありませんが、滞在中の荷物置き場として非常に優秀です。日差しや雨を遮る屋根の下に、テーブルやサーフボード、ウェットスーツを置いておくことができます。
フルクローズできるタイプのカーサイドテント(シェルター)であれば、外からの視線を遮りつつ、着替えスペースとしても活用できます。ただし、これらを展開できるのは基本的にオートキャンプ場やRVパークに限られます。道の駅などの公共駐車場で広げることはマナー違反となるため、使用する場所は慎重に選ぶ必要があります。
サーフボードやウェットスーツを車外保管するテクニック

サーフィン特有の道具であるボードやウェットスーツは、大きくて扱いに困るものの代表格です。これらをいかにスマートに車外で管理するかが、快適な車中泊のポイントになります。ここでは具体的な保管テクニックや注意点を深掘りします。
ルーフキャリアにボードを積んだまま寝る際のリスク管理
ロングボードなどの長い板は車内に入り切らないことも多く、ルーフキャリアに積んだまま車中泊をすることもあるでしょう。この時、最も心配なのが盗難です。就寝中は周囲への警戒が薄れるため、キャリアに積んだボードが狙われる可能性があります。
対策としては、鍵付きのサーフボードキャリアシステム(InnoやThuleなどのロック機能付き)を使用するのが基本です。もし既存のキャリアに鍵がない場合は、「カヌーロック(Kanulock)」のような、ベルトの中にステンレスワイヤーが通っている鍵付きタイダウンベルトを使用することをおすすめします。これならカッターやナイフでベルトを切られて持ち去られるリスクを大幅に減らすことができます。
濡れたウェットスーツを乾かしながら保管する方法
使用後のウェットスーツは重く、水分を含んでいます。これを車内に入れると結露の原因になります。オートキャンプ場などでスペースが許すなら、車のバックドアを開けて、そこに頑丈なハンガーを吊るして干しておくのがベストです。風通しが良く、翌朝にはある程度乾いていることもあります。
公共の駐車場などで外に干せない場合は、防水のバケツや「タライ」に入れて、ヒッチキャリアに積載するか、ルーフボックスに放り込むのが正解です。ルーフボックスに入れる際は、他の荷物が濡れないように大きめのドライバッグ(防水袋)にウェットスーツを入れてから収納すると良いでしょう。生乾きの臭いを防ぐため、帰宅後はすぐに取り出してしっかりと洗浄・乾燥させることが大切です。
ポリタンクやバケツなど水回り用品のスマートな配置
サーフィン後に体を洗うための水が入ったポリタンクは、20リットル近い重量になります。これを車内の奥にしまい込むと、使うたびに取り出すのが大変です。また、万が一キャップが緩んで水漏れした場合、車内が水浸しになる大惨事を招きます。
そのため、ポリタンクやバケツはヒッチキャリアなどの「車外かつ低い位置」に積載するのが理想的です。ヒッチキャリアなら、そのまま蛇口をひねってシャワーとして使えるように配置することも可能です。車外積載が難しい場合は、スライドドアのステップ部分など、万が一濡れても拭き取りやすい場所に固定して置くのが良いでしょう。
翌朝の着替えをスムーズにするための荷物整理テクニック
波が良い朝は、1分1秒でも早く海に入りたいものです。しかし、荷物が車外のボックスなどに散らばっていると、着替えを探すだけで時間をロスしてしまいます。そこで、前日の夜寝る前に「翌朝セット」を作っておくことをおすすめします。
翌朝着るウェットスーツ、水着、タオル、ワックスなどをひとつのカゴやバッグにまとめ、すぐに手の届く場所(助手席やダッシュボードの上など)に置いておきます。ルーフボックスなどの外部収納は、基本的に「すぐには使わないもの」や「濡れたもの」を入れる場所とし、朝一で使うものは手元に残すという区分けを明確にすることで、スムーズな行動が可能になります。
車中泊スポット別!荷物を外に出す際のマナーとルール

「荷物を外に出す」といっても、場所によって許される範囲は全く異なります。知らずにマナー違反をしてしまうと、近隣住民や他の利用者に迷惑をかけるだけでなく、その場所自体が「車中泊禁止」になってしまう恐れもあります。場所ごとのルールをしっかりと確認しましょう。
道の駅やSA・PAでは原則として荷物の車外放置はNG
道の駅、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)は、あくまで運転の疲れをとるための「休憩施設」です。国土交通省や道路会社の規定でも、駐車場でのキャンプ行為や物品の放置は禁止されています。たとえ夜間で人が少ないとしても、車の横に椅子を出したり、荷物を地面に置きっぱなしにしたりすることは許されません。
ここでは、荷物は全て車内(またはルーフボックス等の車両積載装置内)に収めるのが絶対のルールです。「少しだけなら大丈夫だろう」という甘い考えは捨てましょう。荷物が入り切らない場合は、助手席に積み上げるなどして、あくまで車両の範囲内で完結させる工夫が必要です。
オートキャンプ場ならテントやシェルター内に保管可能
オートキャンプ場は、お金を払ってスペースを借りる「宿泊施設」ですので、区画内であれば自由に荷物を広げることができます。テントやタープを張り、その中にサーフボードやクーラーボックスを置いておくことができます。車中泊であっても、あえて小さなテントを横に設営し、そこを「荷物置き場」として使うのも賢い方法です。
ただし、キャンプ場であっても盗難のリスクはゼロではありません。就寝時や海に出かける際は、高価な道具は車内に戻すか、テントの入り口をロックする、あるいは車と荷物をワイヤーで繋ぐなどの対策を講じましょう。野生動物がゴミや食料を荒らすこともあるため、食料の管理も重要です。
RVパークでの荷物展開に関するルールを確認しよう
RVパークは「車中泊公認」の有料駐車スペースです。道の駅などに併設されていることもありますが、一般的な駐車場とは異なり、サイドオーニングの展開や車外での椅子の使用が許可されている場所が多くあります。ただし、その範囲は施設によってまちまちです。
「サイドオーニングはOKだが、地面での焚き火はNG」「荷物は区画内ならOK」など、施設ごとの利用規約を必ずチェックしてください。RVパークは電源が使える場所も多いため、ポータブル電源を車外に出して充電しながら使うといった便利な使い方も可能です。安心して荷物を展開できる貴重なスポットと言えます。
サーフポイント周辺での駐車時における近隣への配慮
サーフポイントの目の前にある駐車場や空き地で車中泊をする場合、そこが公的な駐車場なのか、私有地なのか、あるいは黙認されているだけのスペースなのかを見極める必要があります。特に民家が近い場所では、荷物を外に広げると「住み着いている」ような印象を与え、警戒される原因になります。
また、早朝に荷物を出し入れする際のドアの開閉音や話し声は、静かな海辺の町では意外と響きます。サーフポイント周辺では、基本的に「キャンプ感」を出さず、ステルス性を保って静かに過ごすのがサーファーとしての粋なマナーです。荷物は車内に収め、目立たないように心がけましょう。
サーファー必見!絶対にやってはいけないNG行動と防犯対策

荷物を外に出すことにはリスクも伴います。大切な道具を守り、トラブルを避けるために、特に注意すべきポイントをまとめました。これらを知っておくことで、予期せぬ失敗を防ぐことができます。
盗難リスクを減らすためのロック機能とワイヤー活用
残念ながら、サーフボードやウェットスーツ、キャンプ道具の盗難は後を絶ちません。特に夜間の車外放置は格好のターゲットになります。「ここは田舎だから大丈夫」という油断は禁物です。外部キャリアやボックスには必ず鍵をかけましょう。
コンテナボックスやヒッチキャリア上の荷物など、鍵がかからないものについては、自転車用やバイク用の太いワイヤーロックを活用して、車の牽引フックやホイールなどの固定部分と繋いでおくのが有効です。「防犯意識が高い」と思わせるだけでも、盗難の抑止力になります。セキュリティアラームなどのグッズも併用するとさらに安心です。
動物による被害やいたずらから荷物を守る工夫
自然豊かな場所では、人間だけでなく動物にも注意が必要です。カラス、猫、タヌキ、キツネなどが、外に置いたゴミや食料、時にはウェットスーツのゴムの匂いに釣られて寄ってくることがあります。食料を外に出したまま寝るのは絶対にやめましょう。
クーラーボックスは密閉性が高いですが、動物によっては器用に開けてしまうこともあります。頑丈なロックをかけるか、食料関係だけは車内に入れるのが無難です。また、野良猫が車のボンネットやルーフに乗って爪を立てることもあるため、カバーを掛けるなどの対策も検討してください。
車外に置く荷物は防水対策と結露対策が必須
山の天気と海の天気は変わりやすいものです。寝る時は晴れていても、夜中に突然大雨が降ることは珍しくありません。車外に出す荷物は、基本的に「濡れてもいいもの」か「完全防水のもの」に限るべきです。布製のバッグや段ボールなどを外に置くのは避けましょう。
また、雨が降らなくても、海沿いの夜は夜露(結露)が激しく発生します。朝起きたら外に置いた椅子やボックスがびしょ濡れになっていることは日常茶飯事です。ビニールシートを被せておくか、朝一番で拭き取るためのタオルを準備しておくと良いでしょう。濡れたまま放置するとカビの原因にもなります。
貴重品は絶対に車外に出さず車内で管理する
財布、スマホ、車の鍵、カメラなどの貴重品は、どんなにセキュリティ対策をしていても、絶対に車の外に出してはいけません。ルーフボックスの中に隠すのもおすすめできません。万が一ボックスごとこじ開けられたら終わりだからです。
貴重品は、就寝時も枕元やシュラフの中など、自分の身の回りに置いて管理しましょう。また、車のスマートキーの電波を遮断するポーチに入れておくと、リレーアタック(電波ジャックによる盗難)の対策にもなります。楽しい旅を台無しにしないためにも、貴重品の管理だけは徹底してください。
まとめ:車中泊の荷物を外にうまく収納して快適な旅を楽しもう
サーフィン車中泊において、荷物の管理は快適な旅を実現するための重要なポイントです。車内の限られたスペースを有効活用するために、ルーフボックスやヒッチキャリアなどの外部収納アイテムを導入するのは非常に賢い選択です。これにより、足を伸ばしてぐっすりと眠ることができ、翌日のサーフィンを全力で楽しむことができます。
しかし、荷物を「外」に出す際は、その場所が道の駅のような公共駐車場なのか、キャンプ場のような宿泊施設なのかを正しく理解し、マナーを守ることが大前提です。道の駅での荷物放置やキャンプ行為は厳禁です。場所に応じた適切な振る舞いを心がけることで、サーファー全体のイメージアップにも繋がります。
盗難や天候への対策もしっかり行いながら、自分に合ったスタイルで荷物を整理整頓してみてください。荷物のストレスから解放されれば、波を追いかける旅はもっと自由で楽しいものになるはずです。


