日本屈指のサーフエリアとして知られる静岡県は、東西に長く伸びた海岸線を持ち、初心者からプロレベルの上級者まで満足できる多種多様なサーフィンポイントが点在しています。美しい水質を誇る伊豆エリア、メローな波質で練習に最適な静波エリア、そしてパワフルな波が押し寄せる御前崎や浜松エリアと、地域ごとに全く異なる表情を見せてくれるのが静岡の海の大きな魅力です。都心や関西方面からのアクセスも良く、一年を通して多くのサーファーが訪れます。この記事では、静岡サーフィンポイントの特徴やおすすめスポット、さらにサーフトリップを充実させる周辺情報まで、詳しく解説していきます。
静岡サーフィンポイントの魅力とエリア別の特徴

静岡県は太平洋に面した広大な海岸線を有しており、サーフィンポイントのバリエーションが非常に豊富です。県内は大きく分けて「伊豆エリア」「静波・牧之原エリア」「御前崎エリア」「西部(浜松)エリア」の4つに分類され、それぞれに波質や雰囲気が異なります。初心者サーファーが安心してテイクオフの練習ができる遠浅のビーチから、チューブライディングを狙えるリーフブレイクまで、あらゆるレベルのサーファーを受け入れてくれる懐の深さが静岡の海にはあります。
東西に広がる多彩な波質
静岡県の海岸線は直線距離にして非常に長く、エリアによってうねりの入り方や風の影響が大きく異なります。例えば、東側の伊豆エリアは複雑な地形が織りなすリーフブレイクや、美しい白砂のビーチブレイクが特徴です。一方、県の中部に位置する静波エリアは湾の内側にあるため、比較的波が穏やかで整いやすく、ロングボードや初心者の練習に最適です。さらに西へ進むと、御前崎や浜松といった外洋に面したエリアがあり、ここでは強いパワーを持った波がコンスタントにブレイクします。このように、一つの県内でその日の気象条件や自分のレベルに合わせてポイントを選べるのが、静岡サーフィンの最大のメリットと言えるでしょう。
圧倒的な水質の良さとロケーション
サーフィンをする上で、海のきれいさはモチベーションを左右する重要な要素です。特に伊豆半島のサーフィンポイントは、全国でもトップクラスの水質を誇ります。透き通るようなエメラルドグリーンの海と白い砂浜のコントラストは、まるで海外のリゾート地にいるかのような気分を味わわせてくれます。波待ちをしている間にふと周りを見渡せば、雄大な伊豆の山々や美しい海岸線が目に飛び込んできます。単に波に乗るだけでなく、自然と一体になってリラックスできる環境が整っていることも、多くのサーファーを魅了してやまない理由の一つです。
関東・関西からのアクセスの良さ
静岡県は日本のほぼ中央に位置しているため、関東方面からも関西方面からもアクセスしやすいという地理的な利点があります。東名高速道路や新東名高速道路が海岸線の近くを走っているため、各サーフポイントへの移動もスムーズです。東京からであれば伊豆エリアや静波エリアへは数時間で到着でき、日帰りサーフトリップも十分に可能です。また、名古屋や大阪方面からは浜松や御前崎エリアへのアクセスが良く、週末には県外ナンバーの車で賑わいます。思い立ったらすぐに海へ向かえる利便性は、サーファーにとって非常に大きな魅力です。
一年を通して楽しめる気候
静岡県は温暖な気候で知られており、真冬でも比較的暖かく過ごせる日が多いです。海水温も、黒潮の影響を受けるエリアでは真冬でも極端に下がることが少なく、適切なウェットスーツを選べば一年中快適にサーフィンを楽しむことができます。春から秋にかけてはコンスタントに波があり、夏は台風からのうねり、冬は西高東低の気圧配置による強い西風とかわすポイントでの波乗りなど、季節ごとに違った楽しみ方ができます。どのシーズンに訪れても、どこかのポイントで必ず波が立っているという安定感も、静岡がサーフパラダイスと呼ばれる所以です。
【伊豆エリア】透明度抜群!リゾート気分で波乗り

伊豆半島は、美しい景観と透き通るような海が広がる、国内有数のサーフリゾートエリアです。観光地としても有名ですが、サーフポイントとしても非常に高いポテンシャルを秘めています。白い砂浜と青い海が広がるビーチブレイクから、パワフルな波を作り出すリーフブレイクまで、地形のバリエーションも豊かです。サーフィンだけでなく、温泉や海鮮料理などアフターサーフの楽しみも充実しているため、泊まりがけのサーフトリップにも最適なエリアと言えます。
白浜大浜海水浴場(下田市)
伊豆エリアを代表するメジャーポイントと言えば、やはり白浜大浜海水浴場です。真っ白な砂浜とエメラルドグリーンの海は圧倒的な美しさを誇り、夏場は多くの海水浴客やサーファーで賑わいます。ビーチの長さは約800メートルもあり、ピークが分散するため多くの人が楽しめます。基本的にはビーチブレイクですが、サイズアップするとパワフルな波になり、上級者も満足できるコンディションとなります。ただし、夏場の海水浴シーズン中はサーフィン可能エリアと遊泳エリアが厳格に分けられているため、ライフセーバーの指示に従い、ルールを守って楽しむことが大切です。
多々戸浜(下田市)
白浜の南側に位置する多々戸浜は、年間を通してコンスタントに波があることで知られる人気ポイントです。左右を岩場に囲まれた入り江のような地形をしており、風の影響を受けにくいという特徴があります。波質は非常に良く、プロサーファーを数多く輩出しているポイントとしても有名です。ハイレベルなローカルサーファーも多いですが、ビーチ自体は美しく遠浅で、初心者から上級者まで幅広いレベルの人が楽しめます。駐車場やシャワーなどの設備も整っており、ファミリーやカップルで訪れるのにも適したサーフスポットです。
入田浜(下田市)
多々戸浜のすぐ隣に位置する入田浜は、落ち着いた雰囲気漂う大人の隠れ家的なビーチです。ソテツの並木が南国ムードを演出し、ロケーションの良さは伊豆でも指折りです。水質も最高ランクの「AA」を獲得することが多く、底が透けて見えるほどクリアな海でのサーフィンは格別の体験となります。波質は多々戸浜と似ており、うねりの向きによっては素晴らしいチューブ波が現れることもあります。比較的混雑が緩和されることも多いため、ゆったりとした時間を過ごしながら波乗りを楽しみたい方におすすめのポイントです。
宇佐美(伊東市)
東伊豆エリアの玄関口に位置する宇佐美は、広々としたビーチが特徴のポイントです。ここは普段は波が穏やかで小さめなことが多いため、ロングボーダーやビギナーにとって練習しやすい環境です。しかし、宇佐美の真価が発揮されるのは、南西の風が強く吹くときです。多くのポイントが風の影響でコンディションを落とす中、宇佐美はその風をかわし、クリーンな波が立つことがあります。そのため「風に強い宇佐美」として重宝されており、他のポイントがクローズアウトした際の逃げ場としても機能します。アクセスも良く、電車でのサーフトリップも可能です。
【静波・牧之原エリア】初心者歓迎のメローな波

静岡県の中部に位置する静波・牧之原エリアは、駿河湾の内側に面しているため、外洋の荒々しい波が直接入りにくく、比較的穏やかで整った波質が特徴です。遠浅の地形が続くビーチが多く、足が着く場所で安心して練習ができるため、サーフィンデビューを目指す初心者や、基礎を固めたい中級者にとって最高のフィールドとなっています。また、近年では世界最新鋭の人工ウェイブプールも誕生し、新たなサーフィンの聖地として注目を集めています。
静波海岸(牧之原市)
「静波」という名前の通り、普段は優しく穏やかな波がブレイクする、静岡を代表する初心者向けの聖地です。広大な砂浜が広がり、遠浅の地形であるため、スープ(白波)でのテイクオフ練習に最適です。夏場は海水浴場としても賑わいますが、サーフィンエリアもしっかり確保されています。台風のうねりが入ると表情が一変し、極上の波が立つことでも知られており、その際は上級者やプロも集まります。周辺にはサーフショップや駐車場、宿泊施設が充実しており、サーフィンを中心とした滞在がしやすい環境が整っています。サーフィン検定や大会も頻繁に行われる、活気あるポイントです。
相良サンビーチ(牧之原市)
静波海岸からさらに南へ下ったところにある相良サンビーチは、静波と同様に遠浅で波が穏やかなポイントです。静波に比べると比較的空いていることが多く、のんびりと波乗りを楽しみたい人におすすめです。湾の形状により、強い西風をある程度軽減してくれるため、冬場の風が強い日でもサーフィン可能な場合があります。波質は厚めでゆったりとしており、ロングボードやファンボードでのクルージングに最適です。目の前には広々とした駐車場があり、車を停めてすぐに海に入れるアクセスの良さも魅力の一つです。
静波サーフスタジアム(牧之原市)
自然の海ではありませんが、静波エリアを語る上で外せないのが「静波サーフスタジアム Perfect Swell」です。日本初の大型造波プールとしてオープンし、天候や風に左右されず、常に理想的な波でサーフィンができる施設です。初心者向けの膝腰サイズの波から、プロレベルのチューブライディングができる波まで、ボタン一つで調整が可能です。完全予約制のため混雑のストレスがなく、同じ波が繰り返し来るので反復練習にはこれ以上ない環境と言えます。レンタルボードやスクールも充実しており、海デビュー前の予行演習としても非常に人気があります。
鹿島(牧之原市)
静波海岸の北側に位置する鹿島ポイントは、地形の変化に富んだビーチブレイクです。静波がフラットで波がない時でも、鹿島では少しサイズがありサーフィン可能というケースがよくあります。サンドバー(砂の堆積)の状態が良いときは、ショートボード向きのパワフルで掘れた波が立つこともあります。ただし、テトラポッド周辺はカレント(離岸流)が発生しやすいため、海に入る際は地形をよく確認し、初心者はローカルサーファーやショップの情報を参考にすることが重要です。広々としたビーチで見晴らしが良く、開放感あふれるサーフィンが楽しめます。
【御前崎・西部エリア】パワーと風を攻略する上級者向けも

御前崎から浜松にかけての西部エリアは、遠州灘と呼ばれる外洋に面しており、太平洋のうねりをダイレクトに受け止めるパワフルなポイントが点在しています。特に御前崎は、世界的な大会も開催される日本屈指のメジャーポイントであり、風と波が作り出すハードなコンディションは多くの上級者を惹きつけます。浜松エリアは長い海岸線に無数のポイントがあり、混雑を避けてサーフィンを楽しむことができます。風の影響を受けやすいため、風向きを読む力が試されるエリアでもあります。
御前崎ロングビーチ(御前崎市)
サーファーなら一度はその名を聞いたことがあるであろう、静岡サーフィンの象徴的な場所が御前崎ロングビーチです。外洋からのうねりを敏感にキャッチし、頭オーバーからダブルサイズの波が立つことも珍しくありません。特に「メロン」や「メイン」と呼ばれるポイントは、パワーのある波を求める上級者で賑わいます。また、ここは「風の御前崎」とも呼ばれ、強い風を利用したウィンドサーフィンの聖地でもあります。カレントが強く、波のサイズがある時は非常にハードになるため、自身のレベルをしっかりと見極めてエントリーする必要があります。
豊浜(磐田市)
御前崎から西へ進んだ場所にある豊浜海岸は、比較的設備が整っており、ビジターでも訪れやすいポイントです。広い駐車場やシャワー、トイレが完備されており、週末には多くのサーファーが集まります。地形はビーチブレイクで、コンスタントに波があります。御前崎ほどハードではない日も多く、中級者からのステップアップに適しています。ただし、ここも遠州灘特有の速い流れが発生することがあるため注意が必要です。地元のサーフクラブがビーチクリーン活動などを熱心に行っており、ローカルルールやマナーを守って利用することが求められます。
中田島砂丘・凧場(浜松市)
日本三大砂丘の一つである中田島砂丘の前に広がるサーフポイントは、通称「凧場(たこば)」と呼ばれています。浜松まつりの凧揚げ会場が近いことからこの名がつきました。広大な砂丘が続く景色は圧巻で、自然の雄大さを感じながらサーフィンができます。ポイントが広範囲に散らばっているため、混雑していても少し移動すれば空いているピークを見つけやすいのが特徴です。底は砂ですが、うねりの力が強く、サイズが上がるとパワフルな波になります。駐車場も広くアクセス良好ですが、車上荒らしなどには十分な注意が必要です。
舞阪(浜松市)
浜名湖が海に繋がる「今切口」の東側に位置する舞阪ポイントは、堤防やテトラポッドの影響で砂がつきやすく、形の良い波がブレイクしやすい人気スポットです。灯台前などのポイントでは、条件が揃えばロングライド可能な良質な波に出会えます。浜名湖からの潮の出入りが海況に影響を与えることがあり、潮周りを考慮して入る時間を決めると良いでしょう。駐車場スペースが限られている場所もあるため、近隣住民や漁業関係者の迷惑にならないよう、駐車マナーには特に気をつける必要があります。
ローカルルールとマナーについて
静岡のサーフポイント、特に御前崎や浜松エリアの一部のポイントには、古くからその海を守ってきたローカルサーファーたちのコミュニティが存在します。ビジターが楽しくサーフィンをするためには、挨拶をしっかりする、前乗りをしない、集団でピークを占領しないといった基本的なマナーはもちろん、その土地ごとのローカルルールを尊重する姿勢が不可欠です。例えば、駐車場所の指定や、地元住民への配慮などが求められる場合があります。初めて訪れるポイントでは、地元のサーフショップで情報を聞いたり、海に入っているサーファーの動きをよく観察したりして、トラブルのないように楽しみましょう。
サーフトリップを充実させる!シーズンと周辺情報

静岡でのサーフィンをより楽しむためには、波の情報だけでなく、季節ごとの気候や装備、そして海上がりの楽しみを知っておくことが大切です。静岡には美味しいグルメや観光スポットも豊富にあり、波乗りとセットで満喫することで、サーフトリップの満足度がぐっと上がります。ここでは、快適にサーフィンをするための準備や、おすすめの立ち寄りスポットについて紹介します。
ベストシーズンと波の特徴
静岡のサーフィンシーズンは、目的によって異なります。初心者やメローな波を好む人には、春から秋にかけてがベストです。特に夏から秋の台風シーズンは、太平洋側にうねりが入り続け、素晴らしい波に恵まれる確率が高くなります。水温も高く、トランクスやタッパーで軽快にサーフィンが可能です。一方、上級者にとっての狙い目は冬です。強い西風が吹き荒れる冬の静岡は、風をかわせるポイントや風が合うポイントで極上の波が立ちます。ただし、冬の遠州灘は風が非常に冷たく、ハードなコンディションになるため、しっかりとした防寒対策と技術が必要です。
ウェットスーツの目安
温暖な静岡とはいえ、季節に合わせたウェットスーツ選びは重要です。7月から9月頃までは、水着やラッシュガード、タッパーなどで快適に過ごせます。10月から11月、そして5月から6月頃は、3mmのフルスーツやシーガルが活躍します。最も寒い1月から3月頃は、水温自体は千葉北や茨城に比べれば温かいものの(15度〜18度前後)、冷たい西風が吹くため体感温度は低くなります。そのため、5mm/3mmのセミドライスーツに加え、ブーツの着用をおすすめします。特に風の強い御前崎や浜松エリアでは、ヘッドキャップやグローブもあると安心です。
アフターサーフのグルメ情報
静岡サーフトリップの楽しみの一つが、地元のグルメです。絶対に外せないのが、静岡県内にしかない炭焼きレストラン「さわやか」のげんこつハンバーグです。肉汁たっぷりのハンバーグは、サーフィンで疲れた体にエネルギーをチャージしてくれます。また、海沿いのエリアでは新鮮な海産物も豊富です。焼津や御前崎の市場周辺では、朝獲れの生シラスやカツオ、マグロなどの海鮮丼をリーズナブルに楽しむことができます。伊豆エリアに行けば、金目鯛の煮付けなども絶品です。美味しい食事で一日を締めくくることで、サーフィンの思い出がより良いものになるでしょう。
まとめ:静岡サーフィンポイントで最高の波に乗ろう
静岡県は、美しい海、豊富な波のバリエーション、そして温暖な気候と、サーファーにとって理想的な環境が揃ったエリアです。伊豆の透明な海でリゾート気分を味わうもよし、静波で基礎練習に励むもよし、御前崎や浜松で自身の限界に挑戦するもよしと、その日の気分やレベルに合わせて自由にポイントを選べる楽しさがあります。
また、海だけでなく、地元の美味しい食事や温かい人柄に触れることができるのも静岡サーフィンの魅力です。今回ご紹介した各エリアの特徴や注意点を参考に、ルールとマナーを守って、安全で楽しいサーフィンライフを送ってください。次の休日は、サーフボードを積んで静岡の海へ出かけてみてはいかがでしょうか。




