サーフィンをしていると、波に乗る楽しさに夢中になりすぎて、つい時間を忘れてしまったという経験はありませんか?陸で待っている友人を待たせてしまったり、パーキングの時間が過ぎてしまったりと、海の上での時間管理は意外と難しいものです。
また、海には「潮の満ち引き」というリズムがあり、これを知っているかどうかで乗れる波の数が劇的に変わります。そんなサーファーの悩みを解決してくれるのが、サーフィン専用の機能を持った腕時計です。
この記事では、初心者の方にもわかりやすく、サーフィン用腕時計の選び方や便利な機能について詳しく解説していきます。あなたにぴったりの一本を見つけて、もっと快適で充実したサーフィンライフを送りましょう。
サーフィンに腕時計は必要?装着するメリットと役割

「海に入るときくらい、時間を忘れて自由に楽しみたい」と考える方もいるかもしれません。しかし、実際に腕時計を装着して海に入ると、単に時刻を知るだけでなく、サーフィンの質を向上させる多くのメリットがあることに気づきます。ここでは、なぜ多くのサーファーが腕時計を愛用しているのか、その具体的な理由と役割について解説します。
時間管理でトラブルを回避する
海の上ではスマートフォンを見ることができないため、腕時計がないと正確な時間がわかりません。特に人気のサーフポイント周辺の駐車場は時間貸しであることも多く、時間を把握していないと延長料金が発生してしまうことがあります。また、仕事前の朝一サーフィンや、家族との約束がある休日など、限られた時間内で効率よく楽しむためにも、手元でサッと時間を確認できることは非常に重要です。時間を気にせず波待ちに集中できる安心感は、メンタル面でも良い影響を与えてくれます。
タイドグラフで波の好機を逃さない
サーフィン用腕時計の最大の特徴とも言えるのが「タイドグラフ(潮汐表)」機能です。波のコンディションは、潮の満ち引きによって刻一刻と変化します。「今は潮が満ちてきているから、もう少しで波が割れやすくなるはずだ」といった予測が海の上でできるようになると、ただ闇雲に波を待つのではなく、狙って良い波に乗ることができるようになります。この機能があるだけで、サーフィンの戦略性がぐっと高まり、上達のスピードも早まるでしょう。
自分のパフォーマンスを数値化して記録する
最近の進化した腕時計、特にスマートウォッチタイプのものでは、サーフィン中の動きをGPSで追跡し、記録する機能が搭載されています。「今日は何本の波に乗ったか」「パドリングでどれくらいの距離を移動したか」「最高速度はどのくらい出たか」といったデータが数値として可視化されます。自分のライディングを客観的なデータとして振り返ることができるため、モチベーションの維持につながるだけでなく、具体的な目標設定もしやすくなります。
緊急時の安全性向上と日没の把握
自然を相手にするサーフィンでは、安全管理も非常に大切です。特に夕方のラウンドでは、夢中になっているうちに日が沈み、急に辺りが暗くなってしまうことがあります。暗い海でのパドリングは方向感覚を失いやすく、非常に危険です。腕時計で「日の入り時刻」を確認しておけば、明るいうちに余裕を持って海から上がることができます。また、万が一沖に流された際など、正確な時刻を知ることは冷静さを保つための命綱ともなり得ます。
失敗しないサーフィン用腕時計の選び方・必須スペック

サーフィンは水しぶきを浴びたり、激しく動いたりと、腕時計にとっては非常に過酷な環境で使用することになります。そのため、普段使いの時計をそのまま使うとすぐに壊れてしまう可能性があります。ここでは、サーフィンというスポーツの特性に合わせた、失敗しない腕時計選びの重要なポイントを3つ紹介します。
防水性能は「20気圧」が安心ライン
腕時計のスペック表を見ると「10気圧防水」や「日常生活強化防水」といった表記を見かけますが、サーフィンで使用する場合は「20気圧防水(20BAR)」以上のモデルを強くおすすめします。サーフィンでは、波に巻かれたりワイプアウト(転倒)したりした際に、瞬間的に非常に強い水圧がかかります。
これを「動水圧」と呼びますが、静止状態での防水テストとは異なり、想像以上の圧力が時計にかかるのです。10気圧防水でも使用できる場合はありますが、パドリングで激しく水をかいたり、大きな波に揉まれたりすることを考えると、20気圧防水を選んでおいた方が水没のリスクを大幅に減らすことができます。
衝撃に強い構造と素材のチェック
サーフィン中は、パドリングでサーフボードのレールに手首をぶつけたり、ワイプアウトして海底の砂やリーフ(岩礁)に時計を擦ってしまったりすることが日常茶飯事です。そのため、ちょっとした衝撃でガラスが割れたり、針が止まってしまったりするような繊細な時計は向きません。
「耐衝撃構造」を謳っているモデルであれば、内部の機械が守られているため安心です。また、ガラス面(風防)がベゼル(枠)よりも一段下がっているデザインのものは、岩などにぶつけた際にガラスが直接当たるのを防いでくれるため、傷がつきにくくおすすめです。
バンドのフィット感と素材選び
長時間海に入っていると、バンドの素材やフィット感が快適さを大きく左右します。金属製のメタルバンドは、海水で錆びる原因になるうえ、重たくてパドリングの邪魔になります。また、万が一ボードや自分の顔に当たった時に怪我をするリスクもあります。
おすすめは「ウレタン」「樹脂」「シリコン」などの柔らかいラバー素材です。これらは水に強く、錆びないだけでなく、肌への当たりがソフトで手首によく馴染みます。また、ウェットスーツの上から装着することを想定して、バンドの長さに余裕があるかどうかも確認しておきましょう。
サーファーに人気の2大タイプ!デジタルとスマートウォッチ

サーフィンに適した腕時計は、大きく分けて「タフなデジタルウォッチ」と「高機能なスマートウォッチ」の2種類に分類されます。それぞれにメリットとデメリットがあり、自分のサーフィンスタイルや求める機能によって最適な選択肢は異なります。ここでは、それぞれの特徴を詳しく比較していきます。
タフで電池長持ちなデジタルウォッチ
G-SHOCKに代表されるデジタルウォッチは、その圧倒的な「耐久性」が最大の魅力です。岩場にぶつけても壊れにくく、防水性能も非常に高いため、ハードな環境でも気兼ねなく使えます。また、ソーラー充電機能を搭載しているモデルも多く、定期的な電池交換や毎日の充電の手間がほとんどありません。
機能面ではシンプルですが、タイドグラフやムーンデータなど、サーファーに必要な情報はしっかりと網羅されています。価格帯も数千円から手に入るモデルがあり、コストパフォーマンスに優れているため、初心者の方や「海専用」としてラフに使いたい方に特におすすめです。
機能満載のスマートウォッチ
Apple WatchやGarminなどのスマートウォッチは、サーフィンを「データ」で楽しみたい方に人気です。GPS機能を使って、自分が乗った波の軌跡を地図上に表示したり、心拍数の変化を記録したりすることができます。専用のアプリと連携すれば、その日の波情報や風向きを手元で確認することも可能です。
さらに、セルラーモデルであれば海の上で電話やメッセージの受信ができるため、緊急時の連絡手段としても役立ちます。ただし、毎日の充電が必要であることや、精密機器であるため衝撃には比較的弱いこと、価格が高価になりがちという点には注意が必要です。保護ケースなどでしっかりとガードして使うのが一般的です。
アナログ時計はサーフィンに向いているか?
針で時間を表示するアナログ時計の中にも、ダイバーズウォッチのように高い防水性を持つモデルは存在します。見た目がクラシックでおしゃれなので、海上がりでもそのまま街で使えるというファッション面でのメリットは大きいです。
しかし、パッと見た瞬間の「視認性」や、タイドグラフなどの情報の読み取りやすさという点では、デジタル表示に軍配が上がります。また、激しい衝撃で針がずれてしまうリスクもゼロではありません。もしアナログ時計を選ぶ場合は、本格的なダイバーズ仕様のものを選び、サーフィン中はなるべく衝撃を与えないように気をつける必要があります。
【タイプ別比較まとめ】
| 項目 | デジタルウォッチ | スマートウォッチ |
|---|---|---|
| 耐久性 | 非常に高い | 保護が必要 |
| 防水性 | 20気圧モデル多数 | モデルによる(要確認) |
| 電池持ち | 数年〜ソーラーなら半永久 | 1〜2日(毎日充電) |
| 機能 | タイド、タイマー等 | GPS、通話、アプリ連携 |
| 価格 | 手頃(1万円前後〜) | 高め(4万円以上〜) |
サーフィンライフを充実させる便利な機能「タイドグラフ」

サーフィン用の腕時計を選ぶ際、必ずチェックしてほしいのが「タイドグラフ」機能です。記事の前半でも少し触れましたが、この機能を使いこなせるようになると、波乗りの効率が格段に良くなります。ここでは、タイドグラフの仕組みや活用方法について、もう少し深掘りして解説します。
そもそもタイドグラフとは?
タイドグラフとは、潮の満ち引き(潮汐)の状態を波形などのグラフで視覚的に表示する機能のことです。海の水位は、月の引力などの影響で1日に約2回、満潮(ハイタイド)と干潮(ロータイド)を繰り返しています。
一般的なタイドグラフ付きの腕時計では、現在地の潮位がどのあたりにあるのか、これから潮が満ちてくる「上げ潮」なのか、引いていく「下げ潮」なのかがひと目でわかるようになっています。従来の時刻表示だけの時計ではわからなかった「海のリズム」を、手元で常に確認できるのがこの機能の真髄です。
潮の満ち引きを知るメリット
では、なぜ潮を知る必要があるのでしょうか。それは、サーフポイントによって「波が良くなる潮位」が決まっているからです。「満潮になると波が割れなくなるポイント」もあれば、「干潮だと岩が露出して危険なポイント」もあります。
例えば、「これからの2時間は上げ潮で、このポイントのベストな潮位になる」とわかっていれば、その時間帯に集中して海に入ることができます。逆に、潮が動かない「潮止まり」の時間帯を避けて休憩をとるなど、効率的な時間の使い方ができるようになります。良い波に乗る確率は、運だけでなく、こうした情報収集によって上げることができるのです。
設定方法と精度の重要性
タイドグラフを有効活用するためには、事前の設定が不可欠です。多くのモデルでは、世界の主要なサーフポイントのデータがあらかじめプリセットされていますが、自分がよく行くポイント(ホームポイント)に近い場所を選んで設定する必要があります。
また、スマートウォッチタイプやスマートフォンとBluetooth連携できる最新のモデル(G-LIDEのGBX-100シリーズなど)では、アプリ経由で非常に正確な潮汐データを時計に転送できます。従来の方程式で計算する簡易的なタイドグラフよりも精度が高く、より実用的なデータとして活用できるため、これから購入するならスマホ連携機能付きがおすすめです。
大切な腕時計を長く使うためのメンテナンス方法

サーフィン用の腕時計はタフに作られていますが、海水(塩分)と砂は精密機械にとって大敵です。メンテナンスを怠ると、どんなに高級な時計でもすぐに錆びたり、ボタンが固着して動かなくなったりします。愛用の時計を長く使い続けるために、海から上がった後に必ず行うべきケア方法をご紹介します。
海から上がった直後の塩分ケア
海から上がったら、できるだけ早く「真水」で時計を洗い流してください。駐車場にシャワーがない場合でも、ペットボトルの水などを使って、全体をしっかりとすすぎましょう。このとき、お湯を使うのは避けてください。高温のお湯は、防水パッキン(ゴム製の部品)を劣化させる原因になります。
自宅に帰ったら、洗面器などに真水を張り、その中に時計を数分間浸けておく「塩抜き」を行うとより効果的です。ベルトの隙間やベゼルの裏側など、細かい部分に入り込んだ塩分は、さっと流すだけでは取れないことがあるため、浸け置き洗いが推奨されます。
ボタンや隙間の砂抜きテクニック
サーファーならではのトラブルとして多いのが、ボタンの隙間に微細な砂が入り込み、ボタンが押せなくなってしまうことです。これを防ぐために、水の中で時計をすすぎながら、優しくボタンを数回プッシュして中の砂を排出するようにしましょう。
ただし、ここで注意が必要なのは「水中ではボタン操作禁止」とされているモデルが多いことです。ご自身の時計の説明書を確認し、もし水中操作がNGの場合は、流水を当てながらボタンの周りを柔らかいブラシ(歯ブラシなど)で優しく掃除する方法が安全です。無理に押し込むと、砂がパッキンを傷つけ、浸水の原因になるので注意してください。
保管場所とバッテリー管理の注意点
時計を洗って乾いたタオルで拭いた後、直射日光の当たる場所に放置するのは厳禁です。紫外線や熱は、樹脂バンドの変色やひび割れ、防水パッキンの劣化を早めます。必ず風通しの良い日陰で乾燥させましょう。
また、ソーラー充電式の時計の場合、引き出しの奥などに長期間しまっておくと充電切れを起こし、いざ使おうと思った時に動かないことがあります。直射日光は避けるべきですが、室内の照明が当たる程度の場所に置いておくことで、バッテリーを健全な状態に保つことができます。スマートウォッチの場合は、塩分による充電端子の腐食を防ぐため、端子部分もしっかり乾かしてから充電器に接続してください。
サーフィンと腕時計の相棒関係を見直して快適な海時間を
腕時計は、サーファーにとって単なるアクセサリーではなく、限られた時間の中で最高の波と出会うための「相棒」とも呼べる存在です。時間管理によるトラブル防止はもちろん、タイドグラフを活用して波のコンディションを読んだり、自分のライディングを記録したりすることで、サーフィンの楽しさは何倍にも広がります。
これから腕時計を選ぶ方は、まずは「20気圧防水」という基本スペックを押さえつつ、自分のスタイルに合わせてG-SHOCKのようなタフなモデルか、Apple Watchのような高機能モデルかを選んでみてください。そして、手に入れた相棒は日々のメンテナンスで大切にケアしてあげましょう。
お気に入りの一本を身につけて、次の週末はもっと快適で、もっと充実したサーフィンを楽しんでください。


